まったく使い物にならなくなった娘の携帯電話。
使えなくても月末には基本料金を徴収される。
新規加0円で買った電話も、新たに購入すると高い。
ばかばかしいのでいったん、解約することに。
駅前の携帯ショップに行くと、さわやかな青年が対応してくれました。
長身のハンサム青年は、その年の若さに似合わず落ち着いている。
受け答えする声のトーンも、なんだか40才ぐらいの大人のようだ。
私はもうすぐ40才だけど、こんなに落ち着いていないぞ。
青年は流れるように仕事を進めている。
書類を書いて渡し、「はい、解約いたしました」と青年。
それから、水没した娘の携帯電話を確認した青年は、
書類と娘の携帯を交互に確認し、落ち着いてこう言った。
「この携帯電話の番号じゃない電話が解約されています」。
「解約されています」って、解約したのおまえじゃん。
我が家は家族で3台を家族割引で加入しているから、間違えて
夫の番号が解約されてしまったようだ。
慌て者の私は「電話番号を言い間違えたのかしらね、あはは」と、おどけてみた。
おどけるなよ、私・・。
おかしい、さっき確か、自分の携帯のデータを見ながら、
この青年に伝えたはずなのに。
しかし、彼のミスなら、申し訳ございません、とかフツー、言うだろう・・。
やっぱ、私が言い間違えたの・・かっ!
動揺する私とは対照的に、落ち着いている青年。
センターに電話した青年は「お客様の解約を取り消してください」と、
ムダな説明はいっさいなしに、落ち着いて仕事をこなしている。
新しい書類を書いているあいだ青年は、慌てた様子もなく
自分が記入ミスをした書類をシュレッダーにかけていました。