いつものお買い物へ行く道沿いで、つる草は芽を出していた。
水道栓の隙間から芽を出し、その存在に気づいたころはまだ10㎝にも満たなかった。
お買い物に行くたびに、見守った。ワタクシ。
見守ってと、つる草が書いているんだよ。
今日見たら、もう、私の頭をとうに超えていた。ほんの、数日の出来事だ。
だって、つる草だ。
つる草の繁殖力の強さを、ここの家人は知っているのだろうか。
この張り紙がつる草の筆でないことは、誰でもわかる。
いや、まさかつる草が書いたのか、というファンタジーも同時にあった。
確かに一生懸命生きている。おっそろしいぐらい一生懸命だ。
生きるためにつる草は家をあっさり乗っ取ってしまう草でもある。
軒を貸して母屋を取られる、という言葉が脳裏をよぎった。
私なら、水道栓の隙間から出て来たとたんに、引っこ抜く。
だってさ、そんなところから姿を現す、すげー強い草だよ。
暖かい気持ちでは見守れない。
しばらく、ドキドキしながら、ここん家を見守ろう。
👆つる草の生存戦略説を唱える夫画
☟よろずなざっしー、読んでね。