喜多桐スズメのニューおろおろ日記

漫画家・イラストレーター喜多桐スズメの日々雑記

人は運よく生きている。

数日前の、午前6時30分過ぎ。いつものルーティーンお出かけ道沿いに、大手定食チエーン店がある。

最近はコロナ禍で夜の営業時間制限があり、企業努力で早朝から朝食を提供している。

 

その定食屋の店先に、ひとりの泥酔男が落ちていた。

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一瞬、行き倒れか?って焦ったが、たぶん酔っ払いだ。

死んでいないのは、その状況でふんわり分かった。

 

わりと、おしゃれさん。足元に小粋な帽子が落ちていた。

泥酔後、腹が減ったのだろう、締めにコンビニでパスタを買って、閉店後の定食屋の店先で食べようとしたのか。

が、食べようとした途端倒れたんだろう、箸がパスタの海に垂直状態で刺さったままだ。

丁度、お盆の中日でご先祖様にお給仕状態のパスタ。

白米にお箸を刺すが、パスタか。パスタはないな。

 

でも、もし、この男性が酔っ払いでなくまさかまさかの行き倒れだったらどうしよう。

などと思っていたら、早朝営業の休憩を終えた店員さんが、彼の傍を何もなかったかのようにスタスタと店の中に入って行く。

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な、なんだ、このシュールな光景は。

 

とにかく、こんなところで寝られては営業妨害な筈なんだが、もう、店先の景色の一部になっている。

 

ワタクシは約1時間後に、この場所をまた通る。

その時にまだ、落ちていたら、たぶん緊急事態かも。

などと思って、1時間後に店先を通ったら、すでにいなかった。

酔っ払いだったのか、それとも救急車で運ばれたのかはわからない。

 

夏の早朝は、酔っ払いがよく落ちている。夜の続きの朝に発見される酔っ払い。

ワタクシは基本、早起きだからよく発見する。

冬の酔っ払いは寒さで目が覚め家に帰るのだが、夏はそのまま寝てしまい朝を迎える。

もう、道端に落ちている酔っ払いは、俳句で「夏の季語」にしてみてはどうかと思う。

 

路傍の酔人(ろぼうのすいと)夏の季語。

覚醒酔人(かくせいすいと)冬の季語。

 

おっ!夏冬出来たじゃないか。

 

数年前の夏、夫とウチの娘が早朝、車で空港に向っていた。

すると、目の前に車道に頭を落として倒れていたひとりの男性を発見。

歩道寄りに走っていると頭を轢いてしまってもおかしくない距離だった。

 

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状況からみて、間違いなく酔っ払いだ。

夜の続きの朝に発見される酔っ払いの傍らに、水。

目の前の自販機で買って、飲む前にこと切れたもよう。

 

やばい、うちの夫は運よく轢くことはなかったが、このままでは誰かが轢いてしまいかねない。

慌てて車を降り、娘と二人で酔っ払いの手脚を持って身体の向きを移動。

頭を歩道側に移動させた。

酔っ払いは、誰かに助けられたことも知らずぐうぐう寝たままだ。

 

道端で寝てしまい酔いから醒めた、酔っ払いのみなさん。

今、自分が生きているのは奇跡だと思って下さい。

あなたが寝ている間に沢山の人々があなたの命を救っていてくれていたのです。

 

って、す、すみません。私も20代の頃、あるの。傍に友人がいて良かった。

ご、ごめんね。私の友だちのみなさん。ありがとう、みんなのおかげでまだ生きている。

 

 

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