子育てをしていた町から二駅先に越して6年以上。
でも、歯医者はあいかわらず元の街のクリニックに通っている。
駅から世田谷美術館に続く道に舗装材として「百人一首を掘った淡路島産の瓦」が敷き詰められている、用賀いらかみち。
見慣れた地面。
子育てに忙しく過ごしてた日々は百人一首を読んで見ようとも思わなかった。
あるのは知ってる。この街の見どころだからね。
だが、このうたをただただ踏んで歩いていただけの、いっぱいいっぱいの毎日。
ただの通り道。
あっという間に、20余年。
今はなんだ、この余裕。走り回る子どもを追いかけまわす必要もない。りらーっくす。
今日は天気もいいので、歯医者の帰り道ちょっと読みながら歩いた。
おや、恋のうた、何ほど多いねん。半分ぐらいは恋のうたか。
目の前で、お母さんが子どもと一緒に読んで、解説してるよ。
おやおやお母さん、肝心なところをすっ飛ばして子どもに説明しているね。
今は、それでいい。大人になって頬を赤く染めると良い。
色男のうた見っけ。
百人一首に採用されている色男のうたは、大して色っぽくない。
ただただ美しいだけではないか。
在原業平め。生涯で3733人の女子と付き合ったそうだ。
15歳スタートで55歳で亡くなるまでの40年間と計算すると、年92~93人だ。
この時代通い婚だ。次々にこなして行けば、年92人ぐらいの女子のお相手できるかもしれない。
この数、あながちマユツバでもなさそうだ。
すげーな、業平。こんな美しい歌を詠んで、まったく。あ、だから、モテるのか。
小学生の時この街で、百人一首丸暗記ゲームなんかをしていた息子なんかの方がうたを憶えていたりするよね。
そういう幼少期の影響かどうかわかんないけれど、発言はやたらと詩的だったりする、うちの息子。
「自分で書いた愛を頂くのかい?ママ」と言われてから、意地になって愛のオムライスを頂く習慣がついてしまった。
この日はジュテーム。フランス語。
韓国語でサラン사랑・愛。
こちらは、環境に地球に人権に、愛。
どうでもいいけれどワタクシ、オムライス好き。
オムライスは糖質少なめのロカボメニューだしね。
で、関係ないのだが、ずーっと気になっていた、貼り紙をついに撮影した。
貼り紙禁止!
これが貼り紙だ!ってぐらい自己主張の強い貼り紙。
って、君も貼り紙だろ、禁止ってどういうことだい?
以上、雪解け道、お散歩スズメ。
☟ずっと、妖怪飲茶店のシェフの恋の物語続いているよ。どうなる!