喜多桐スズメのニューおろおろ日記

漫画家・イラストレーター喜多桐スズメの日々雑記

いつもの散歩道を見て、昔を想う。

いつもの散歩道に、こ、これは・・・。

 

 

初心者マーク、ですね。

落としたの?打ち捨てたの?どっち。

 

いや、まあ、初心者マーク。もう、初心者じゃないよって方が、必要なくなって捨てた?あるいは落とした?

 

もう、ベテランなのでしょうか。

 

初心者マークというと思い出されるのが、ワタクシが新卒で就職した広告デザイン会社でのこと。

コピーライターチームの島にワタクシの机がありました。

諸先輩方はアイデアに煮詰まったときや、休憩時間などにはボードゲームに興じていらした。

ゲームの名は「バックギャモン」。西洋双六。

 

ああ、ワタクシ、ボードゲームって将棋とオセロしか出来ない。

 

で、諸先輩方から、バックギャモンのルールを教えてもらい、西洋双六おもしれー、と開眼。

で、そのときにハンデを頂きたいがために、バックギャモン初心者マークをハレパネとカラートーンで制作。デザイン事務所にはプレゼン用の小物制作に欠かせない材料があちこちにあり、工作好き娘はウキウキと制作し、ぺたりと胸に張り付けてゲームをしておりました。



バックギャモン用、初心者なんだから、大目に見てねマーク。

自動車運転の初心者マークに寄せたデザイン。

 

その年、東急ハンズが「ハンズ大賞」というアート寄りな作品公募をはじめました。

なんか、応募する?などと、諸先輩方がわいわいと話をする中で、18歳のワタクシは「将棋の箸置き付き割りばし」というのはどうでしょうか?と、提案しました。

 

真ん中が二つに割れるだけでなくもう一つ割れた先端は、なんと箸置きに!

しかも将棋の駒!40膳全部使い切ると、付属の将棋盤シートで対局できる。

工作好きのワタクシは、割りばしに細工をしてプレゼン用に作ったよ。

将棋の駒の箸置き付き割りばし。

 

18歳の少女が思いつく瑞々しいアイデアを自信満々で先輩方に披露。

「まきちゃーん(ワタクシの本名)あのね、ハンズ大賞ってのは、王様のアイデアとは違うんじゃないか?」と。

東急ハンズが欲しているのはアイデア雑貨じゃなく、もちょっと、アート寄り。

 

それと、割りばしの袋で箸置きが作れるから、とも。

 

大阪の人間すべてに坂田三吉先生のDNA成分を含んだ血が流れていると思っていたのはどうやら間違いだったようだと、この歳になって思い知らされるスズメ先生なのでした。

 

39年前の出来事が道端に落ちていた初心者マークによって、脳内再生された本日。

 

で、この箸置き付き割りばし、すっごいアイデアだと今も思っているんですけど。対局も出来るし・・。

 

 

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