喜多桐スズメのニューおろおろ日記

漫画家・イラストレーター喜多桐スズメの日々雑記

あのF1レーサーは幻だったのか。

孫をおもりするとき、自分も見たいのでユーチューブで動画を一緒に見る。

宮本浩次さん、冬の花MVを一緒に鑑賞。

 


孫が、日産フェアレディZという、マニア垂涎の車がギャンギャン走るシーンにくぎ付け。やはり、男子は車が好きか。

 

歳を取ると、ちょっとした日常のシーンの中で過去の記憶がまざまざと蘇る。

老化現象らしい。そう、老化していることは事実だから受け止めよう。

想い出が、昨日のことのように蘇る。記憶の優先順位は時系列じゃないからね。

衝撃度だね。

年を取ると記憶のストックが多くなるから、取り出し放題だね。

おう、それを老化というのなら言わせておけ。

 

27歳のとき、イタリアの友人宅にしばらく居候して、フランスで暮らしている友人宅に行く道中「F1レーサー」という、おっさんと出会った。

 

今は漫画やブログが日記代わりになっているが、昔は旅日記を描き続けていたので、当時の絵日記が残っている。

ちなみに、小学3年生のときの作文もいまだに持っていて時々読み返して笑っている、ばかなワタクシ。

 

イタリアからフランスに行く際、ダビンチ空港の職員にイタリアンギャグをかまされたシーン。

ダリの絵を持っているのは、ダリカフェの店主から吹っ掛けられ買ったダリのリトグラフ。恐ろしい恐ろしい、酔った勢いというのは。

 

妊娠したと同時にタバコ止めたけど、昔って、凄いね。

飛行機の中でも喫煙者がぱっかぱっかタバコ吸っていて、今じゃ考えられない空間でしたよ。

 

飛行機の中でタバコ交換してるよ!マジか!どれだけの月日が当時の常識を非常識にしているんだ。たかだか、2、30年じゃないか!

 

そう、そしてこのおじさん、耳毛がめっちゃ伸びていました。

 

隣の席のなれなれしいオヤジ、って書いてるけど、若さって傲慢だね。

なれなれしいのは、オヤジだけじゃなくワタクシもだね。

 

で、イタリアからフランスに行く2時間ちょっとの間、英語もイタリア語もフランス語もダメダメなワタクシは「絵を描く」という手段で、となりのおっさんとコミュニケーションを取ったのです。

 

で、おっさん「ぶおーん、ぶおーん、フォーミュラーワーン」と言って、車のハンドルを切るしぐさで、オレオレ、これと言ってフランスの新聞を見せてくれた。

 

ジム・クラーク。

 

わしや、儂。と自分がジム・クラークという人物だという。

 

ワタクシが「おっさん、ジム・クラークさんなの?」って日本語で言うと、ouiってフランス語で答える。

 

これからサーキットに行くというおっさんと、シャルルドゴール空港でバイバーイ。ご縁があったらまた会いましょう。と、日本語でつぶやいてお別れ。

 

空港顔パスの時点で、なんかすごい人だったことは間違いないはずなんだけど、30年近く経って、あのジム・クラークはなんだったんだ、と思い出し、調べてみると。

1968年に亡くなってるF1レーサーじゃ~ん。おっさんにタバコ貰ったのは1992年じゃーん。

おっさんは、ジム・クラークの何だったんだよう。

 

頼まれてイタリアの書店で買った、カーデザイナー・ジュージアローの写真集を、友人に渡す際「ジム・クラークって人にタバコ貰ったよ」って自慢しちゃったじゃないか。

いや、あと2人ぐらいに自慢した「F1レーサーにタバコ貰ったよ~」って。

 

孫と、ミュージックビデオ見て、耳毛のことを思い出すスズメさんなのでした。

 

 

 

👇F1レーサーは出てこないけど、そのうち出すか。漫画も読んでね。

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