ワタクシがよく行く近所のスーパーで、ノリノリの洋楽ロックがいつもBGMで流れている。
この店の店長のチョイスか?ロック好き店長か?
つい、ノリノリで買い物をしてしまう。
鮭にしようか鯖にしようか、太刀魚は高いね。
明太子特売、いくらはお高い、イエ~イ。
好きな曲が流れて来て、歌手のシャウトを聴いて、あ、この声大好きと思った瞬間に、体が自然に踊っていた。足元はリズムを刻んでる。
はっと、我に返る。いかんいかん、スーパーの店内でノリノリはさすがに大人の女子として、いかんだろ。
しかも、よりによって本日はこんな格好だ。
ライダースジャケットにスキニーのブラックジーンズにショートブーツ。
らしすぎるじゃないか、リズムを刻む人っぽすぎるじゃないか。
誰かに見られてしまったかもと、周りを見渡すと、ワタクシと同じノリノリの親子がいた。親子でノリノリで買い物をしていた。
良かった、みんなノリノリで。
ややもすると、面倒くさくなりがちな買い物という行為を、楽しくさせる音楽って、すげー。
昭和のワタクシ世代には、洋楽と邦楽を棲み分けしたがる人が一定の割合でいた。そういう方は演歌や歌謡曲や和製ロックを洋楽より下に置きたがり、訳が分からなかった。今の言葉で表現すると、邦楽マウントか。
今も一定数いるようだけど、若い人がそうだと非常にもったいない。
全ての音楽は素晴らしいものなのに。
キリスト教を弾圧してきた江戸時代が終わり、西洋音楽がキリスト教会を介して日本に入って来て、150年ちょい。
15世紀のルネサンスの頃から始まった西洋音楽の歴史が約600年。教会だ。西洋音楽の全てキリスト教会がスタート。キリスト教の役割って音楽だったのか⁈って思う、仏教徒のワタクシ。
日本独自の感性でわずか150年の間に西洋音楽が素晴らしく広がった。それまで日本の音楽って7音じゃなかった。日本においてまったく違う概念の音楽が、たかだか150年で広がるって、なんか、すげー。日本の音楽家のみなさま、すげー、と思う。
50歳過ぎると150年が「たかだか」に感じる。
ワタクシの娘・息子世代になると、音楽に対して棲み分けがなくなり、風通しが良くなった。息子は80年代のシティポップが好きだ。日本発の歌謡曲の影響を受けたフランス人バンドの音楽を聴いていたりする。
世界のあちこちの音楽が行ったり来たりして影響を受けたり受けられたりして、ほんとうに素敵だ。
インターネット時代の宝物だね。
娘も何でも好きだ。アニメも特撮の音楽もクラシックも好きだ。
中学時代に吹奏楽に魅入られた娘。音楽で生きていきたいと思った娘は音大を目指した。で、音大の受験勉強で「楽典」というほぼ数学のような勉強をしていた娘が弾けた。
ママ!音楽を勉強するの無理!弾いたり歌ったりするのは好きだけど勉強は無理!
そうだね~、勉強というのは「強いて勉める」だからなぁ~。
強いるっていうのは苦しいのよ。好きでないと続かない。
そうして、娘は音大を選ばず、中国語を学ぶ大学を選び、そしてまた弾け、漫画なら楽しくて何時間でも描いていられると、漫画の道に進みましたとさ。只今、子育て休業中だけどね。
人生は、昇ったり下ったり、泣いたり笑ったりのくねくね道だから、「日本の音楽は西洋の音楽より下」みたいな偏った考えは自分の道も狭くなるね。色んな国の音楽をたくさん聴いてみるといい。すっげー発見とかあるよ。
でも、人間て、世界共通で棲み分けが好きだね。それとこれと一緒にされたくないっていう、プライドか。
ワタクシが27歳の時にイタリアの友人宅で居候してた時、イタリアじゃ、ロックはクラシックより低い、って見下されていた。
イタリアのテレビでイタリア人のロックバンドの音楽を聴いていた。
なんか、イギリス人のロックバンドより、ほんわか温かい音だった。クラシック寄りで激しさを押さえてたのかな。温かい音だった。ロックがほんわか温かいってのはダメ出しされる要素か。
で、イタリアから戻ると、カンツォーネにハマってた。
フランスから戻るとシャンソンにハマり、サンバを踊っていたときはブラジル音楽にハマり、10年前は韓国歌謡にハマってた。行く先々の音楽にハマる。
今は日本のエレファントカシマシにハマってる。
で、スーパーで今日もノリノリ。
音楽は素晴らしいものだ。って、キンモクセイさんたちも、今も大好き。
虫の音も、鳥の声も、音楽って、良いね。
晩ご飯の買い物をしていたスーパーで、音楽の歴史をうううん、と考えた本日。
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