喜多桐スズメのニューおろおろ日記

漫画家・イラストレーター喜多桐スズメの日々雑記

彼方ノ人。

Tsu-jiカンパニー、辻本晃良氏、企画・脚本の舞台「彼方ノ人」千秋楽、観劇してまいりました。

 

1945年の太平洋戦争中の日本海軍、特別攻撃隊の総称「特攻隊」をテーマにした舞台です。

 

重いね。

 

でも、脚本の力と演劇人の力で、泣き笑いありのエンターテーメントに仕上がってて、ああ、演劇って良いね、と、本日も滂沱の涙を流す、ワタクシことスズメさん。

 

現代じゃ、特攻隊って、言葉だけ知ってる人でも、ああ、ないわ~、って思うよね。

生身の人間を爆弾にしちゃうって、おいおい、命令した人って人じゃなく、鬼?って、あれ。

 

でもな、もう、戦争が始まった時点で指令する側も兵士として行動する側も、鬼だ。

 

でも、人だ。

 

海から攻撃する人間魚雷回天にしろ、空から攻撃するゼロ戦にしろ、無駄死にだ。

命中率10数%だ、命令した側は人の命なんてなんとも思っていない、のか?

いや、そうじゃないね、もう、脳みそぐるぐるだろうね。

責任者としては、敗戦色が濃くなってきてなんとかしなっきゃ、ってぐるぐるだね。

いっちょ、体当たりだぜ、ってのは、割と日本の武士道っぽい発想。

 

SNS時代の今、国家の命令で戦争に向かわされている人々の言葉がリアルに流れてくる。

目にすると、ないわ~、って思う過酷な状況は、攻める側も迎える側も、生身の人間。

 

こういう状況をどういうことかと、普段平和でのんきに過ごしている方々に、訴えて考えていただく機会になるのも、演劇の力。

 

特攻隊員役を演じた若き俳優さんたちと同じ世代が、戦争という状況で、死ねと命令されている状況。演者にもリアリティが籠る。

 

コロナ禍で、役者さんがコロナになると公演を中止しなきゃなんない、ってことで、うちの息子がアンダーという役割のいつでも代役できる状態でスタンバっていた、この舞台。

 

無事、誰もコロナに罹患することなく千秋楽を迎えることができ、良かった。

 

千秋楽の帰りみち道、息子と「ゼロ戦と回天だったら、どっちがいい?」ってな、話をしながら。

 

あー、まだ、青々とした大空を飛んで最後を迎える方がいいなぁ。

暗闇の中で最後を迎える人間魚雷は、やだなぁ。

 

 

 

👇はいはい!演劇はいいものだ!スズメ先生が谷藤太先生に話を聞いた記事です。演劇の教科書、演劇人もプレ演劇人も、必読。

maidonanews.jp