喜多桐スズメのニューおろおろ日記

漫画家・イラストレーター喜多桐スズメの日々雑記

手話は面白い。

 

今朝、自宅から30秒の所に住んでいる友人と、近所のカフェで、いつものお茶。

 

移動自粛だけど、ご近所さんとのお茶ぐらいはいいかと。人混みに行くわけでもなし大人数でもなし。

 

唯一の楽しみだね、お茶するのは。コーヒーだけど。暑いから朝からアイスコーヒー。

 

話題は言葉。で、言語の話になって「ノンバーバルが最強」って話をした。

 

友人はイギリス留学の経験もある建築士で英語ペラペラだ。外国人とのコミュニケーションより、日本人とのコミュニケーションのほうが面倒なことも多いとよく話す。

 

ノンバーバルとは簡単に言うと、非言語、つまり身振り手振り。表情、雰囲気も含めて「伝われば良し!」のコミュニケーション法。

 

私がシナリオを書かせてもらい、夫が漫画を描いたFBI式しぐさの心理学でも、ノンバーバルのこと書いてます。ちょこっと、お知らせ。

 

で、ノンバーバルという単語が口をついて出たとき、手話のことを思い出した。

 

伝える、ってことで言えば絵画や文章、絵と文の表現を両方持つ漫画などの視覚的なことより、音楽が最強かな、なんて思っている。音楽は自発的にこちらが求めなくとも、風に乗って耳に届くこともあるから多くの人に伝わるね、と。

 

だが、世の中には音が聞こえない世界に暮らしてる人々も、相当数いる。人口比、300人にひとりは音のない世界に暮らしている。日本では40万人。すごい人数だ。ろうあという世界。

 

でだ、スズメさん2年前に霞が関に派遣の仕事に行くことがあって、毎日私のパソコンにメールで「手話の会」の案内が届くので、そのサークルに参加したの。

サークル、部活大好きスズメさん。読書もバンドもサンバもイタリア語も韓国語も全部、サークル活動。部活LOVE。

 

新霞が関ビル内「手話の会」。先生はネイティブろうあのRちゃん。

 

音から情報を受け取らない人生を送って来たRちゃんは、ほんとうに賢くて色んなことを知ってて、努力の人なんだなあと思ったときに、五感を全部使えるくせにろくに勉強もしてこなかった自分に恥じ入るところからの、スタート。

 

毎週、毎週、楽しく勉強した。手話。

そして、派遣が終了して手話サークルともお別れ。あー、残念。

本当に手話は面白かった。Rちゃんとお別れのとき、彼女から一枚のコピーされた新聞記事を手渡された。

「手話言語法」が国会を通るか通らないか、という記事だった。

驚いた。手話が言語として認められていなかった事実に。

 

で、Rちゃんから「興味を持って応援してください」と、手話とノンバーバルで伝えられた。

 

昨年、手話言語法が国会を通過したとたん、テレビのニュースでも手話通訳者の姿がやたらと目につくようになった。法律が正しいとすれば、今まで軽くあしらってきたことに多くが従う現実に、少しがっかりした気持ちになったものの、良かった。

Rちゃん、喜んでるだろうな、と思って嬉しかった。

 

手話は言語なので、あいうえお、の50音が存在する。

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でだ、あんなに勉強したのに2年も使わないと、まったくの真っ白だ。

バカか?バカだ私。

 

でも、先日驚いたのよ。ニュース見てて、手話通訳者の人が「茨城県」という単語をハンドサインで出した時に「読めた」のよ。あ、茨城県って言った。って。

 

あいうえお、の50音が存在しても、一言ひとことハンドサインで出すには明らかに時間が掛かりすぎるので、手話には単語ごとにハンドサインがあるの。

 

それはね、ジェスチャークイズのような、単純明快なサインが。

 

ピンク、桃色、という単語は頭の上で「桃」の形を作ることで通じる。

指で50音駆使して「桃色」と4つの単語を言うより4倍速い。

ほとんどがそんな感じ、ゼスチャーから単語が成立している。

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「楽しい」という単語は本当に楽しそうだ。やってるこっちも楽しくなる。

 

ある時のテーマが「都道府県」だった。都道府県を手話単語でどう表現するか。

笑った、笑った。鎌倉は胸の前で大仏の手の形をして「鎌倉」。

「奈良」は額の上に左手OKサインで右手は胸の下。まさに奈良の大仏のポーズ。

全ての地名がこんな感じだ。

ただ、手話のハンドサインは一つではなく何種類か存在したりもする。

 

で、そういうことも忘れていたのに「茨城県」だけは強烈に覚えていたのよ。

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 Rちゃんが身振り手振りと白版に文字で「茨城県」の由来を説明してくれる。

 

なんで凍えているポーズかと言うと、語源は「桜田門外の変」だと。

まさかの桜田門外の変!

井伊直弼が桜田門外で水戸藩脱藩武士に襲われて死亡した日に、由来すると。水戸=茨城県。桜田門外の変は雪の降る寒い一日。

で、ハンドサインは「寒い寒い」のゼスチャー。

ええええええ、そこ!遠いよ、遠すぎる。語源として遠すぎる。この言葉を制定した人何ほどの歴史ファン。

会場に居た手話サークルのみんな、大爆笑。

 

まさかの、井伊直弼由来の言葉。

だから、覚えてたのか。

ってか、やっぱ私、井伊直弼好きだったんだ。なぜに?

 

うん、よく分かんないけど、気になる男子なんだね。

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