仕事が煮詰まって買い物がてら、散歩に出る。
「ご自由にお持ちください」と、人ん家の玄関に本が段ボールに入れられて置いてある。ほぼ、ここ1~2年の新刊ばかり。
うっわ、ラッキー、読みたかった本じゃん。で、遠慮なく、頂いた。
まだ読み終えてなくて、積んである本に浮気をしている後ろめたい気分を抱えつつ、ハードカバーのページをめくる。
わあ、著者謹呈本じゃん。
どんな事情があって、捨てたのだろう。
著者から頂いた人が捨てたのではなく家族かな。
などと考えながら、まあ、いいや、要らなくなって捨てられて私の所にやって来た。
で、期待通りスッゲー面白かった。締切あるのに、一気に読んじゃった。やばいやばい。
あー、こんな面白い本も要らなくなったら捨てられるのか。
本を拾った次の日、お買い物がてら散歩してたら、電信柱の下に置物を見つけた。捨ててあるのか?電信柱の下に置物を飾る人などいないだろう。捨ててあると思って間違いないだろう。
なんか、ぴかぴかの玉をもったドラゴンが捨てられている。
このドラゴンがここに鎮座するに至ったドラマが頭を駆け巡る。
いやいや、待て待て、他に考えなければいけないことはたくさんある。漫画のことな。
で、アイデアが出なくて、ウロウロと買い物しつつ散歩してると、高いところにいた猫がこちらをジッと見てた。
いや、ワタクシがジッと、見つめたらから見てくれたのか。
君は捨てられた猫でなく、ここン家の飼い猫であれ。
☟カメレオンのカメくん。男、漢、男の子。