喜多桐スズメのニューおろおろ日記

漫画家・イラストレーター喜多桐スズメの日々雑記

イソップ童話を思う夏のいちにち。

今朝、久々会った知人に「今も何もしてないの?」って聞かれたから「いつも通り、漫画を描いています」って答えた。

知人は、きょとんとした表情でこちらを見た。

時々世間話をする程度の知人に漫画を描いて暮らしていますと、何度か言ったのだが、どうも漫画を描いて生活をするという具体的なイメージが湧かないようで、漫画を描いている人というのはこの知人にとって、労働を何もしていない人「働いていない人」と、いうことのようだ。

 

このやり取り、ワタクシの人生で、何度も何度もこういうことがあったので、もお、慣れた。

たぶんね、ワタクシ高橋留美子っていう漫画家なんですよ。とか、言っても、きょとん、とされたのかも知れない。日本に置いて漫画家の地位は低いね。地位なんてどおでも、いいことなんだけど。

 

でだ、立ち話をしている二人の会話をどおでもええやん、って感じで、メジロがこっちを見ていて可愛かった。

 

なんか咥えている。小さな木の実だ。

 

こういうとき、いつもイソップ童話の「アリとキリギリス」を思い出すワタクシ。

アリは一生懸命働いているのにキリギリスは優雅にバイオリンを奏でて遊んで暮らしているから、ついにキリギリスは餓えて死んじゃう、って話。

イソップ童話は色んな解釈で色んなパターンの話があって、キリギリスがアリを徹底的に見下して冒頭からキリギリスを悪という位置づけにしている話もある。

 

でもさ、バイオリンを優雅に奏でるためにはさ、どれだけの練習が必要だと思ってんだよ!もおさ、毎朝起きて、スケール練習1~2時間して、それから、本日の演奏でお客さんに楽しんでもらうためにどんだけ練習してると思ってんのさ。もお、指先はガッチガチで血豆だって出来るんだぜ弦楽器は。

重いエサをせっせと巣に運ぶアリの単純労働ばかりを労働というなかれ。

ワタクシは小学校3年生の時から学校の鼓笛隊に入部して、毎日毎日、楽器練習をしていたこともあり「アリとキリギリス」に対して子どもの頃からこの歳になるまで言いたいことだらけだ。

 

練習に次ぐ練習も巣にエサを運ぶ労働と何も変わらない。

楽しい音楽を奏で熱狂する観衆、華やかな部分だけ目にするアリどものジェラシーか。

 

いいの、もお、慣れた。わかんなくていい。

漫画描いてる人はだいたい腱鞘炎になってて、右手ガクガクで頑張ってるんですよ、って一生懸命話しても理解されそうにもないので、本日はトホホで終了。

 

どんな仕事も大変だね。アリさんが大変なのは、わかりやすい。

 

 

写真を撮ろうとしたら、さっさと逃げていく猫。

 


孫が人工の水辺で楽しく遊ぶ姿を見て、もお、本当にどおでもエエやん、って思うちょっと涼しいと感じる、30度以上の本日。

 

 

 

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